マイオブレースで子どもの反対咬合（受け口）は矯正できる？原因と効果を解説

1. 反対咬合（受け口）の主な原因とは

反対咬合は下の前歯が上の前歯より前に出る噛み合わせの異常で、さまざまな要因が重なって起こります。
主な原因には以下が挙げられます。

➀下顎の過剰な成長

骨格性の反対咬合は、遺伝的な要素で下顎が大きく前方に成長することで起こります。

➁上顎の成長不足

実は「上顎が成長しきれていない」ことで、相対的に下顎が前に出て見えるケースも多くあります。上顎の発育は脳の発育と関係が深く、特に口呼吸の影響を受けやすいとされています。

➂口呼吸や口腔周囲筋の未発達

常に口が開いている「お口ぽかん」など、筋肉が正しく使われていないと、歯列や顎の発育に影響を及ぼすことがあります。

➃舌癖・姿勢・乳歯の早期脱落

舌で歯を押す癖や、うつ伏せ寝・頬杖といった日常習慣も、顎や歯並びに悪影響を与えることがあります。

反対咬合は、できるだけ早期に原因にアプローチすることで、成長を正しい方向へ導くことができます。

2. マイオブレースはなぜ反対咬合（受け口）に効果がある？

マイオブレースは、筋機能（MFT＝口腔筋機能療法）をベースとした取り外し可能なマウスピース装置で、歯並びを悪くする原因である「口呼吸」や「舌の悪い癖・位置」、「飲み込み時の悪い癖」などお口まわり全体の筋肉のバランスにアプローチする治療法です。

➀筋肉と呼吸の機能を整える

舌・唇・頬などの筋肉の使い方を訓練し、正しい舌の位置と鼻呼吸を習慣づけることで、顎の成長を正常な方向に促します。

➁成長力を活用できる

子どもは成長途中のため、骨格や筋肉がまだ柔軟です。マイオブレースはこの自然な発育力を活かすことができるため、顎の発達を理想的な形に導くことができます。

➂悪習癖を改善し、根本から予防

歯がズレてしまう直接的な原因（口呼吸、舌癖など）を取り除くため、再発のリスクを減らすことができます。

マイオブレースは“歯を動かす”のではなく、歯並びが悪くなる原因改善を図って“歯が正しい位置に並ぶための環境づくり”を目的としている点が従来の矯正治療とは異なります。

3. マイオブレースによる治療を子どものうちに始めるメリットと注意点

反対咬合の治療は、3歳以上で装置がつかえるようになったらできるだけ早い段階で始めることが理想的です。
その背景には、以下のようなメリットがあります。

＜メリット＞

➀上顎の成長を促せる最適なタイミング

上顎の発育は10歳頃でほとんど止まるため、それまでに適切な刺激を与えることで、骨格バランスの改善が見込めます。

➁癖の改善がスムーズ

幼少期の方が習慣を修正しやすく、舌癖や口呼吸の改善もしやすい傾向があります。

➂将来的な本格矯正を回避・軽減できる

正しい成長を促せば、後にワイヤー矯正が不要、あるいは簡易的で済む可能性があります。

➃取り外し式で子どもも使いやすい

生活に合わせて無理なく使用できるため、装着のストレスが比較的少ない治療法です。

＜注意点＞

➀保護者の協力が重要

習慣の見直しや装着の継続には、保護者の方のサポートが欠かせません。

➁日々の継続が効果を左右する

マウスピースをつけるだけでなく、毎日のトレーニングと装着時間の確保が必要です。

4. 京都円町たけち歯科クリニックの小児矯正について

子どもの矯正治療は、成長期の発育力を活用することで、歯並びや噛み合わせをより効果的に改善できる可能性が高まります。
特に、上顎の成長は10歳頃までに完了するとされており、適切な時期に治療を開始することが重要です。

子どものうちに矯正を行うことによって大人になってからの本格的な矯正治療が不要になる、または軽減される可能性があります。

そのため京都市の歯医者、京都円町たけち歯科クリニックでは、「マイオブレース」という歯列矯正法を採用しています。
マイオブレースは、歯並びが悪くなる根本的な原因に働きかけ、通常、ブラケット治療を必要とせず、自然な成長と発達を促す治療法です。

マイオブレースの目的

マイオブレースは、歯並びが悪くなる原因を改善し、結果的に歯並びを整えることを目的とした矯正装置です。悪い口腔習慣（口呼吸、舌の位置、指しゃぶりなど）を改善し、顎の発育を正常に導くことを目指しています。従来のワイヤー矯正とは異なり、歯を抜かずに本来の成長を活かして矯正を行う点が特徴です。適切な筋機能を訓練することで、歯並びが自然に整いやすくなり、将来的な矯正の必要性を減らすことが期待できます。

マイオブレースの治療時期

マイオブレースは、顎の成長が活発な子ども（3～12歳）を対象に行われます。
特に、5～9歳の混合歯列期（乳歯と永久歯が混在する時期）に治療開始することが最適とされ、顎の成長を利用しながら歯並びを整えます。早期に開始することで、抜歯やワイヤー矯正の必要性を減らし、自然な発育を促進します。
※特に受け口などの場合は早めに治療を開始することが望ましいです。

また、5～9歳を治療開始時期としている理由は、個人差はありますが上顎の成長は9〜10歳でストップします。
治療期間がおおよそ2〜3年間となるため、逆算すると8歳までにはスタートしないと良い結果を得られない可能性が高くなってしまうからです。
そのため円町たけち歯科クリニックでは、9歳以降の治療はマイオブレースの以外の治療をご案内する可能性があります。

ご興味がある方、子どもの歯並びにお悩みがある方はまずは円町たけち歯科クリニックまでご相談ください。

まとめ

反対咬合（受け口）は、放置すると見た目の問題だけでなく、噛む・話すといった機能にも悪影響を及ぼします。
マイオブレースは、そうした問題の「原因」にアプローチすることができる、成長期の子どもに最適な予防的矯正治療です。

京都市の歯医者 京都円町たけち歯科クリニックでは、お子様の成長に寄り添った最適な治療プランをご提案します。
京都市でお子様の歯並びや噛み合わせが気になる方、矯正治療を検討されている方は、京都円町たけち歯科クリニックまでご相談ください。
 

監修：武知 幸久

経歴：

　　　1989年　徳島大学歯学部卒業

　　　1997年　たけち歯科医院開業

　　　2011年　医療法人社団翔志会

　　　　　　　 たけち歯科クリニック開設

　　　　　　　 京都市立病院　登録医