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乳歯があるうちでも小児矯正は必要?開始時期と判断ポイント

 

「子どもの歯並び、これって大丈夫なのかな?」と感じたことはありませんか?特に、まだ乳歯が残っている時期には「矯正治療はまだ早いのでは」と考える方も多いかもしれません。しかし、子どもの歯やあごの成長は早く、タイミングを逃さないことが、将来のお口の健康を守るうえで重要になることもあります。
今回は、小児矯正が乳歯の時期から必要かどうかの判断基準や、治療開始の適切なタイミング、自宅でできるチェックポイントについて解説します。

 

1. 乳歯があるうちから小児矯正は必要?

子どもの矯正治療は、永久歯がすべて生えてから始めるというイメージがあるかもしれません。
しかし、乳歯が残っている時期に矯正治療を行うことは可能であり、とても大切です。
現代では、クラスに5人いたら4人は歯並びのわるい子供で、多くのお子さんが早期に治療開始する必要があります。

①あごの成長に働きかける

乳歯の時期に行う小児矯正では、歯の位置だけでなく、あごの骨の成長バランスを整えることを目的とする治療が選択されることがあります。たとえば、上あごと下あごの成長に差がある「受け口」や「出っ歯」のような状態は、成長期の間に適切な対応を行うことで、将来的な治療の選択肢が広がる場合があります。

②将来の治療負担を軽減できる可能性も

永久歯がすべて生えそろってから矯正を始めると、抜歯が必要になることや治療期間が長くなるケースもあります。早期にお口の状態を確認して適切な処置を行うことで、結果として治療期間や費用が比較的少なく済む可能性があります。

③不正咬合の予防につながる

指しゃぶりや舌の癖、口呼吸といった生活習慣の影響で、歯並びに影響を与えることがあります。早めに対処することで将来的な不正咬合を予防できるケースもあります。

④むし歯や歯周病リスクの抑制にもつながることがある

歯並びが乱れていると、歯磨きがうまくできずにプラークなどの汚れがたまりやすくなります。小児期に矯正治療で歯を整えることで、口腔内を健康に保ちやすくなります。

⑤発音や食事への影響が出ることも

開咬(前歯が噛み合わない)などは、発音や食事の際に影響が出ることがあります。たとえば「さ行」や「た行」が発音しづらくなる、食べ物がうまく噛みにくいなど、日常生活に支障をきたすこともあるため、矯正治療での早期の対応が役立つ場合もあります。

このように、乳歯がある時期でも小児矯正が必要なケースは少なくありません。「まだ早い」と自己判断せず、早めに歯科医師の診察を受けることが重要です。

 

2. 子どもの矯正はいつから?開始時期とチェックポイント

では、実際に子どもの矯正は何歳ごろから始めるのがよいのでしょうか?一般的には、5〜9歳の間に始める「第1期治療」が一つの目安とされています。この時期は乳歯と永久歯が混在している時期にあたります。

①第1期治療は骨格バランスの調整が中心

この時期の矯正は、骨格のバランスを整えることが主な目的です。骨格のバランスが悪くて永久歯の生えるスペースが足りないときは、その原因を追求し根本的に解決することを第一とします。そのために悪いお口の癖を改善したり、装置を使ってあごの幅を広げたりします。あごの成長をコントロールできるのはこのタイミングだけなので、適切な開始時期を逃さないことが大切です。

②歯科医師がチェックする主なポイント

・上下のあごの大きさとバランス(例:受け口、出っ歯)
・前歯が噛み合わない(開咬、交叉咬合)
・歯がガタガタに並んでいる(叢生)
・歯が生えてくるスペースの有無
・指しゃぶり、舌の癖、口呼吸などの習慣
歯科医師はこれらを診察やレントゲンで確認し、矯正治療の必要性を判断します。

③矯正治療の開始が早すぎても問題ない?

早期の治療が有効なケースもありますが、すべてのお子さんが対象というわけではありません。歯科医師は成長のスピードや発達段階を見ながら、「今すぐ矯正を始めるべきか」「経過を観察すべきか」を判断します。

④観察期間を経てから始める場合も

治療が必要だと考えられても、すぐに装置を付けるとは限りません。歯やあごの成長を一定期間見守る「経過観察」を行い、最も適したタイミングで矯正をスタートさせるケースもあります。

「矯正治療は永久歯が生えそろってから」と決めつけず、歯並びやお口まわりの様子で気になることがあれば、できるだけ早めに歯科医師へ相談しましょう。

 

3. 小児矯正が必要かどうかの家庭での判断ポイント

「歯科医院に行くべきかどうか迷っている」という親御さんも多いかもしれません。矯正が必要かどうか迷うときは、ご家庭でも次のような点を確認してみましょう。

①前歯が閉じない、上下の重なりが逆になっている

前歯でしっかりと物が噛めない状態(開咬)や、下の歯が上の歯より前に出ている状態(反対咬合=受け口)は、骨格的な要因が関係することが多く、成長期のアプローチが有効なケースもあります。

②歯がガタガタに並んでいる(叢生)

乳歯の時期でも、歯と歯が重なったり斜めに生えている場合には、将来的な永久歯のスペースが不足している可能性があります。歯が生える場所が足りない状態のため、矯正治療であごのスペースを広げる処置が必要になることがあります。

③口をぽかんと開けている・口呼吸をしている

常に口を開けていたり、鼻ではなく口で呼吸をしている場合は、歯並びやかみ合わせに影響することがあります。特に上あごの成長が抑制されやすく、出っ歯や開咬の原因になることもあります。

④指しゃぶりや舌の癖が続いている

3歳を過ぎても指しゃぶりの癖が治らない、または飲み込むときに舌が前に出る癖(舌癖)があると、歯並びに影響することがあります。これらの癖は早期に対処することで、将来の矯正治療がスムーズになることがあります。

⑤食べ物を片側でしか噛まない

いつも片方ばかりで噛む習慣があると、あごの成長に左右差が出てしまうことがあります。これは歯並びのゆがみやかみ合わせのズレにつながるため、注意が必要です。

お口の異常に早く気づいて対処することで、比較的軽い処置で済む場合もあります。逆に、時期を逃すと治療が大掛かりになるケースもあるため、気になることがあれば、まずは歯科医院に相談することをおすすめします。

 

4. 京都円町たけち歯科クリニックの小児矯正について

子どもの矯正治療は、成長期の発育力を活用することで、歯並びや噛み合わせをより効果的に改善できる可能性が高まります。
特に、上顎の成長は10歳頃までに完了するとされており、適切な時期に治療を開始することが重要です。

子どものうちに矯正を行うことによって大人になってからの本格的な矯正治療が不要になる、または軽減される可能性があります。

そのため京都市の歯医者、京都円町たけち歯科クリニックでは、「マイオブレース」という歯列矯正法を採用しています。
マイオブレースは、歯並びが悪くなる根本的な原因に働きかけ、通常、ブラケット治療を必要とせず、自然な成長と発達を促す治療法です。

マイオブレースの目的

マイオブレースは、歯並びが悪くなる原因を改善し、結果的に歯並びを整えることを目的とした矯正装置です。悪い口腔習慣(口呼吸、舌の位置、指しゃぶりなど)を改善し、顎の発育を正常に導くことを目指しています。従来のワイヤー矯正とは異なり、歯を抜かずに本来の成長を活かして矯正を行う点が特徴です。適切な筋機能を訓練することで、歯並びが自然に整いやすくなり、将来的な矯正の必要性を減らすことが期待できます。

マイオブレースの治療時期

マイオブレースは、顎の成長が活発な子ども(3~12歳)を対象に行われます。 特に、5~9歳の混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)に治療開始することが最適とされ、顎の成長を利用しながら歯並びを整えます。早期に開始することで、抜歯やワイヤー矯正の必要性を減らし、自然な発育を促進します。 ※特に受け口などの場合は早めに治療を開始することが望ましいです。

また、5~9歳を治療開始時期としている理由は、個人差はありますが上顎の成長は9〜10歳でストップします。 治療期間がおおよそ2〜3年間となるため、逆算すると8歳までにはスタートしないと良い結果を得られない可能性が高くなってしまうからです。

そのため円町たけち歯科クリニックでは、9歳以降の治療はマイオブレースの以外の治療をご案内する可能性があります。

ご興味がある方、子どもの歯並びにお悩みがある方はまずは円町たけち歯科クリニックまでご相談ください。

 

まとめ

乳歯が残っているうちでも、小児矯正が必要になる場合があります。特にあごの成長が関係する問題は、乳歯の時期に対応することが望ましいこともあるため、家庭で気づけるサインがあれば、早めに歯科医院で相談するのがよいでしょう。

京都市の歯医者 京都円町たけち歯科クリニックでは、お子さんの成長に寄り添った最適な治療プランをご提案します。
京都市でお子さんの歯並びが気になる方、矯正治療を検討されている方は、京都円町たけち歯科クリニックまでぜひご相談ください。 

監修:武知 幸久


経歴:

   1989年 徳島大学歯学部卒業

   1997年 たけち歯科医院開業

   2011年 医療法人社団翔志会

        たけち歯科クリニック開設

        京都市立病院 登録医