子どもの矯正「マイオブレース」で行うアクティビティと治療期間の目安

1. 子どもの矯正「マイオブレース」とは？

マイオブレースは、マウスピース型の装置を用いながら、歯並びの乱れの根本原因である「口腔習癖（こうくうしゅうへき）」を改善していく治療法です。主に5～9歳の子どもを対象としており、歯を直接動かすのではなく、正しい呼吸、舌の位置、飲み込み方、姿勢を習得することで、自然な歯並びへと導くことを目的としています。正しい呼吸や口周りの筋肉の使い方を身に付け、悪習癖を改善するので後戻りが少ないです。
以下に、マイオブレース治療の特徴を解説します。

➀口呼吸から鼻呼吸へ

口を開けたままの呼吸を改善し、鼻で呼吸する習慣をつけます。口呼吸から鼻呼吸へと導くことで酸素の取り込みがスムーズになり、全身の健康や成長発育に良い影響を与えます。

➁舌の正しい位置を学ぶ

舌が常に下がった状態にあると、無意識に前歯を押してしまい、歯並びが乱れやすくなります。舌を正しい位置である上顎につけるように意識づけることで、歯列に良い影響を与えることが期待できます。

➂飲み込み方や姿勢の改善

飲み込みの際に口周りの筋肉を使いすぎている場合、顎や歯に不自然な力がかかることがあります。正しい飲み込み方を学ぶことで、余計な力を排除し、バランスの取れた発育を促します。

➃取り外し式の装置

マイオブレース装置は自宅での装着が中心で、学校などでは外して過ごすことが可能です。違和感が少なく、子どもの生活に大きな影響を与えにくい点がメリットといえるでしょう。

マイオブレースは「原因から治す矯正」として、将来的な歯並びの安定や健康的な口腔機能の確立を目指す治療法です。

2.子どもの矯正「マイオブレース」のアクティビティとは？

マイオブレース治療には「アクティビティ」と呼ばれるトレーニングが含まれており、これは治療効果を左右する重要な要素です。これらのアクティビティは、専門の歯科医師や歯科衛生士の指導のもと、毎日行う必要があります。以下に、代表的なアクティビティとその指導方法を解説します。

➀呼吸トレーニング

口呼吸をしている子どもに対して、鼻呼吸を習慣づけるための練習を行います。例えば、唇を閉じたまま深呼吸する練習や、息を止めたまま歩く練習などがあります。

➁舌のトレーニング

舌の位置を正しく保つための練習をします。舌先を上顎の決まった位置にあてて数秒間キープする、舌を上下左右に動かすなど、筋肉を鍛える運動があります。

➂飲み込みの練習

水を使って正しい飲み込み方を身につけるトレーニングです。舌で上顎を押さえたまま飲み込む練習を繰り返すことで、口周りの筋肉のバランスが整いやすくなります。

➃姿勢の改善

立っている時や座っている時の正しい姿勢を意識させることで、頭部や顎の位置が整い、呼吸や嚥下（えんげ）機能の向上が期待できます。

⑤専用のトレーニング教材の活用

歯科医院ではマイオブレース専用の教材や動画などを活用し、子どもでも分かりやすく、楽しく学べる工夫がされています。家庭でも取り組みやすい内容が多いため、親子で一緒に行うのもよいでしょう。

⑥定期的なチェックとフィードバック

歯科医院での定期的な通院の中で、アクティビティの実施状況や成果をチェックし、必要に応じて内容の調整やサポートを行います。保護者の方との情報共有も重要で、家庭での取り組み状況も評価に含まれます。

アクティビティは単なる補助的な要素ではなく、治療全体の柱の一つです。正しいやり方と継続的な取り組みが、マイオブレース治療の成功につながります。

3. マイオブレースによる矯正治療期間の目安とポイント

マイオブレース治療の期間は年齢や口腔習癖の状態、治療への取り組み状況によって異なりますが、一般的には2～3年程度が目安とされています。長期間にわたる治療のため、継続的なモチベーションの維持と定期的なフォローが重要です。以下に、マイオブレースの治療期間とその管理に関するポイントについて解説します。

➀年齢による治療開始時期

マイオブレースは、骨格や口周りの筋肉が発達する前の「成長期」に開始するのが理想とされています。5～9歳の間に始めることで、歯並びや顎の発育に対してより効果的な働きかけが期待できます。

➁治療のステップに応じた期間

マイオブレース治療は大きく「習慣の改善」「歯列の誘導」「保定」の3段階に分かれます。習慣改善期には毎日のアクティビティと装着が重視され、歯列誘導期ではマウスピースの装着時間が延長されるなど、段階ごとに目標と期間が異なります。

➂通院頻度とチェック体制

通常は月1回程度の通院を基本とし、治療の進行具合やアクティビティの成果を確認します。口腔内の状態やマウスピースのフィット感の確認、必要に応じて装置の交換やアドバイスも行われます。

➃家庭での管理

治療効果を上げるには、家庭での取り組みが欠かせません。毎日の装着時間（目安は1時間＋就寝時）やアクティビティの実施状況を保護者の方がサポートすることで、治療の質の向上につながります。

⑤モチベーション維持の工夫

治療が長期にわたるため、子ども自身のやる気をどう引き出すかもポイントです。目標達成の記録やスタンプカード、歯科医院でのポジティブなフィードバックなどを活用することで、子どもが楽しく前向きに取り組む姿勢を育むことができるでしょう。

マイオブレース治療の成功は、歯科医院とご家族が連携して取り組むことによって高まります。治療期間中のフォロー体制が充実していることも、歯科医院選びの大切なポイントといえるでしょう。

4. 京都市の歯医者 京都円町たけち歯科クリニックの小児矯正

子どもの矯正治療は、成長期の発育力を活用することで、歯並びや噛み合わせをより効果的に改善できる可能性が高まります。
特に、上顎の成長は10歳頃までに完了するとされており、適切な時期に治療を開始することが重要です。

子どものうちに矯正を行うことによって大人になってからの本格的な矯正治療が不要になる、または軽減される可能性があります。

そのため京都市の歯医者、京都円町たけち歯科クリニックでは、「マイオブレース」という歯列矯正法を採用しています。
マイオブレースは、歯並びが悪くなる根本的な原因に働きかけ、通常、ブラケット治療を必要とせず、自然な成長と発達を促す治療法です。

マイオブレースの目的

マイオブレースは、歯並びが悪くなる原因を改善し、結果的に歯並びを整えることを目的とした矯正装置です。悪い口腔習慣（口呼吸、舌の位置、指しゃぶりなど）を改善し、顎の発育を正常に導くことを目指しています。従来のワイヤー矯正とは異なり、歯を抜かずに本来の成長を活かして矯正を行う点が特徴です。適切な筋機能を訓練することで、歯並びが自然に整いやすくなり、将来的な矯正の必要性を減らすことが期待できます。

マイオブレースの治療時期

マイオブレースは、顎の成長が活発な子ども（3～12歳）を対象に行われます。
特に、5～9歳の混合歯列期（乳歯と永久歯が混在する時期）に治療開始することが最適とされ、顎の成長を利用しながら歯並びを整えます。早期に開始することで、抜歯やワイヤー矯正の必要性を減らし、自然な発育を促進します。
※特に受け口などの場合は早めに治療を開始することが望ましいです。

また、5～9歳を治療開始時期としている理由は、個人差はありますが上顎の成長は9〜10歳でストップします。
治療期間がおおよそ2〜3年間となるため、逆算すると8歳までにはスタートしないと良い結果を得られない可能性が高くなってしまうからです。
そのため円町たけち歯科クリニックでは、9歳以降の治療はマイオブレースの以外の治療をご案内する可能性があります。

ご興味がある方、子どもの歯並びにお悩みがある方はまずは円町たけち歯科クリニックまでご相談ください。

まとめ

マイオブレース治療は、従来の矯正とは異なり、口腔習癖の改善によって歯並びの安定を目指す新しいアプローチです。マウスピース装置の使用に加え、アクティビティや生活習慣の見直しを通して、成長期の子どもの口腔内環境を健やかに整えていきます。治療期間は比較的長期に及びますが、家庭と歯科医院が協力して取り組むことで、高い効果が期待できるでしょう。
京都市の歯医者 京都円町たけち歯科クリニックでは、お子さまの成長に寄り添った最適な治療プランをご提案します。
京都市でお子さまの歯並びが気になる方や矯正治療を検討されている方は、京都円町たけち歯科クリニックまでご相談ください。

監修：武知 幸久

経歴：

　　　1989年　徳島大学歯学部卒業

　　　1997年　たけち歯科医院開業

　　　2011年　医療法人社団翔志会

　　　　　　　 たけち歯科クリニック開設

　　　　　　　 京都市立病院　登録医