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小児矯正の「一期治療」とは?必要性や装置の種類・特徴を解説

 

お子さんの歯並びや噛み合わせに関して、不安を感じている親御さんも多いのではないでしょうか?小児矯正には「一期治療」と「二期治療」の2段階があり、特に一期治療は将来の歯並びや顎の成長に大きな影響を与える重要な時期です。今回は、一期治療の目的や開始時期、必要性、さらに使用する装置の種類について詳しく解説します。
 

1. 小児矯正の「一期治療」とは?

小児矯正の一期治療とは、乳歯と永久歯が混在する「混合歯列期」に行う矯正治療のことを指します。主に顎の成長誘導や歯並びの土台作りを目的としており、永久歯が正しく生えるためのスペース確保や、不正咬合(噛み合わせの異常)を予防する役割を果たします。
以下に、一期治療の目的を解説します。

・顎の成長をコントロールする(上下の顎のバランスを整える)

・永久歯の生え変わりをスムーズにする(将来の歯並びを整えやすくする)

・悪い習慣を改善する(指しゃぶりや舌の癖などを矯正)

・歯並びの悪化を防ぐ(必要に応じてスペースを作る)

一期治療は、5歳~9歳ごろに開始するのが一般的です。この時期は顎の成長が活発なため、骨格の調整がしやすく、矯正の効果が得られやすい時期といわれています。
一期治療の適切な開始時期の目安を以下に解説します。

・前歯の永久歯が生え始めた頃(6歳~7歳)

・上下の顎のバランスが悪い場合

・受け口や出っ歯などの明らかな不正咬合がある場合

・歯の隙間が足りない(将来の歯並びに問題が生じるリスクがある)

このような場合、一期治療を行うことで 二期治療(本格矯正)が不要になる、または負担が軽減されるケースもあるため、早めに歯科医師に相談すること重要です。

 

2. 一期治療はなぜ必要?しないとどうなる?

一期治療をせずに放置すると、不正咬合が悪化する可能性があります。特に顎の成長が不均衡な場合や歯の生えるスペースが不足している場合は、将来的に本格的な矯正治療が必要になる可能性が高くなります。
以下に、一期治療をしないことで生じるリスクを解説します。

・顎の成長がアンバランスになる(受け口・出っ歯の悪化)

・歯が重なり合う(叢生)ことで見た目が悪くなる

・将来的に抜歯が必要になる可能性が高まる

・発音や噛む機能に影響が出る場合がある

また、一期治療を行うことで、将来的な歯並びや噛み合わせのトラブルを予防し、より自然な成長を促すことが期待できます。
以下に、早期矯正を行うメリットを解説します。

・顎の成長を整える(上下の顎のバランスを改善できる可能性がある)

・永久歯の生え変わりをスムーズにする

・矯正装置の負担が少ない(痛みが少なく、装着期間が短くなることが多い)

・将来的に抜歯のリスクを減らせる

・二期治療が不要、または簡単な治療で済む可能性がある

特に、顎の成長誘導は子どもの時期にしかできないため、一期治療が非常に重要になります。

 

3. 一期治療で使用する小児矯正「マイオブレース」とは?

一期治療では、従来のワイヤー矯正とは異なる「筋機能矯正装置」と呼ばれるタイプの装置を使うことがあります。その代表的な装置が「マイオブレース」です。

マイオブレースは、歯並びだけでなく「口まわりの筋肉の使い方」や「呼吸の仕方」など、歯列不正の根本的な原因にアプローチすることを目的とした治療法です。

【マイオブレースの特徴】

①取り外しが可能なマウスピース型の装置

マイオブレースは、透明でやわらかい素材のマウスピースを使用します。就寝時と日中の決まった時間だけ装着します。

②悪習癖の改善に効果的

口呼吸、舌の位置異常、飲み込み方のクセなどを改善するためのトレーニング機能が備わっており、歯列の乱れの「原因」に対処します。

③成長を利用した治療

トレーニマイオブレースは、骨の柔らかい成長期の子どもに適した治療で、顎の発育を正しい方向に導くことが期待できます。

④継続的なトレーニングと管理

矯正効果を引き出すには、歯科医院での定期的な指導と自宅でのトレーニングの両立が重要です。毎日の装着時間やトレーニングの有無によって治療の成果に差が出ることもあります。

マイオブレースは「歯を動かす」ことよりも、「歯並びが悪くなる原因」を改善する小児矯正として有効な手段の一つです。

 

4. 京都円町たけち歯科クリニックの小児矯正について

子どもの矯正治療は、成長期の発育力を活用することで、歯並びや噛み合わせをより効果的に改善できる可能性が高まります。
特に、上顎の成長は10歳頃までに完了するとされており、適切な時期に治療を開始することが重要です。

子どものうちに矯正を行うことによって大人になってからの本格的な矯正治療が不要になる、または軽減される可能性があります。

そのため京都市の歯医者、京都円町たけち歯科クリニックでは、「マイオブレース」という歯列矯正法を採用しています。
マイオブレースは、歯並びが悪くなる根本的な原因に働きかけ、通常、ブラケット治療を必要とせず、自然な成長と発達を促す治療法です。

マイオブレースの目的

マイオブレースは、歯並びが悪くなる原因を改善し、結果的に歯並びを整えることを目的とした矯正装置です。悪い口腔習慣(口呼吸、舌の位置、指しゃぶりなど)を改善し、顎の発育を正常に導くことを目指しています。従来のワイヤー矯正とは異なり、歯を抜かずに本来の成長を活かして矯正を行う点が特徴です。適切な筋機能を訓練することで、歯並びが自然に整いやすくなり、将来的な矯正の必要性を減らすことが期待できます。

マイオブレースの治療時期

マイオブレースは、顎の成長が活発な子ども(3~12歳)を対象に行われます。
特に、6~7歳の混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)に治療開始することが最適とされ、顎の成長を利用しながら歯並びを整えます。早期に開始することで、抜歯やワイヤー矯正の必要性を減らし、自然な発育を促進します。
※特に受け口などの場合は早めに治療を開始することが望ましいです。

また、6~7歳を治療開始時期としている理由は、個人差はありますが上顎の成長は9〜10歳でストップします。
治療期間がおおよそ2〜3年間となるため、逆算すると8歳までにはスタートしないと良い結果を得られない可能性が高くなってしまうからです。
そのため円町たけち歯科クリニックでは、9歳以降の治療はマイオブレースの以外の治療をご案内する可能性があります。

ご興味がある方、子どもの歯並びにお悩みがある方はまずは円町たけち歯科クリニックまでご相談ください。

 

まとめ

小児矯正の一期治療は、 顎の成長をコントロールし、永久歯が正しく生えるための大切な治療 です。 6~10歳の時期に適切な矯正を行うことで、将来的な歯並びの乱れを防ぎ、抜歯や大掛かりな矯正治療のリスク軽減が期待できます。

京都市の歯医者 京都円町たけち歯科クリニックでは、お子さんの成長に寄り添った最適な治療プランをご提案します。
京都市でお子さんの歯並びが気になる方、矯正治療を検討されている方は、京都円町たけち歯科クリニックまでぜひご相談ください。

 

監修:武知 幸久


経歴:

   1989年 徳島大学歯学部卒業

   1997年 たけち歯科医院開業

   2011年 医療法人社団翔志会

        たけち歯科クリニック開設

        京都市立病院 登録医