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小児矯正のマイオブレースとプレオルソの違いとは?特徴やメリットを比較

  お子さんの歯並びが気になって、小児矯正を考え始めた保護者の方の中には、「マイオブレース」や「プレオルソ」という治療法を耳にしたことがある方もいるかもしれません。これらは、取り外しができるマウスピース型の矯正装置で、顎の成長をサポートしながら、歯並びやお口周りの癖を整えることを目的としています。しかし、それぞれの特徴や適した年齢、治療方針には違いがあります。今回は、小児矯正でよく用いられるマイオブレースとプレオルソについて、それぞれの特徴とメリット・デメリット、違いについて解説します。  

1. 小児矯正のマイオブレースとは?特徴とメリット・デメリット

マイオブレースは、オーストラリアで開発されたマウスピース型の小児矯正装置で、歯並びの乱れを引き起こす「口呼吸」「舌の癖」「飲み込み方」などの悪習癖を改善し、成長を利用して歯や顎を正しい位置へ導くことを目的としています。対象年齢は3歳~12歳で、乳歯が生え揃う時期から本格的な矯正前の準備として使用されることが多い治療法です。以下に、マイオブレースの特徴とメリット・デメリットを解説します。

<特徴>

・対象年齢は3〜12歳と広範囲 ・口呼吸や舌癖などの悪習癖の改善に重点を置く ・取り外し可能なマウスピース型装置 ・日中1,2時間の装着+就寝中の使用が必要 ・呼吸・舌の位置・姿勢改善などのトレーニングを併用する治療法

<メリット> ①悪習癖の改善に着目

歯並びの乱れの原因となる口呼吸や舌の癖、姿勢の乱れに働きかけ、歯並びそのものよりも根本原因の解消を目指します。

➁成長期を活かした治療が可能

顎の成長が活発な時期に適用することで、無理なく自然な歯列の形成が期待できます。また、将来的な本格矯正で抜歯を避けられる可能性もあります。

③装着とトレーニングの両立で総合的な効果

日中1〜2時間+就寝時の装着に加え、舌の位置や呼吸の訓練を組み合わせることで、歯並びだけでなく全身のバランス改善にもつながります。

④顎の発育や姿勢にも良い影響を与える

正しい舌の位置や呼吸を身につけることで、顎の発育に良い影響を与えたり、猫背が改善する可能性もあります。

<デメリット>

装着時間の確保やトレーニングの継続には、子ども自身のやる気と、保護者のサポートが欠かせません。また、悪習癖を改善することを重視するため、治療には時間がかかることが多く、長期的な視点が必要です。 マイオブレースは、「歯並びの見た目だけでなく、その原因にもアプローチしたい」「成長期を利用して抜歯を避けたい」と考える保護者に適した治療方法といえるでしょう。

 

2. 小児矯正のプレオルソとは?特徴とメリット・デメリット

プレオルソは、日本で開発されたマウスピース型の小児矯正装置で、3歳~8歳ごろの比較的低年齢層の子どもを対象としています。柔らかい素材で作られており、装着時の違和感が比較的少ないとされています。以下に、プレオルソの特徴とメリット・デメリットを解説します。

<特徴>

・対象年齢は3〜8歳と低年齢層向け ・夜間と日中1時間程度の装着で使用可能 ・前歯の歯並びと噛み合わせの軽度な問題に対応できる場合がある ・取り外しができるマウスピース型装置

<メリット> ①比較的柔らかい素材で負担が少ない装着感

プレオルソは柔らかいポリウレタン製でできているため柔らかさがあり、初めて矯正装置を使う子どもにも受け入れられやすい傾向があります。

➁就寝時中心の装着で日常生活に支障が少ない

基本的には夜間の就寝時と日中1時間程度の装着で済むため、日常生活の中で装着によるストレスが比較的少ないといえます。

③前歯の歯並びや噛み合わせを整えられるケースもある

プレオルソは悪習癖の改善に加えて、軽い前歯のガタつきや噛み合わせのズレを改善するために使われることもあります。

④トレーニングを行わなくても一定の効果が期待できる

マイオブレースと異なり、日々のトレーニングプログラムは必要なく、装着のみで効果を得られる可能性があります。

<デメリット>

骨格的な問題や重度の歯列不正には対応が難しいため、必要に応じて将来的に本格的な矯正治療が必要になるケースもあります。 プレオルソは「まずはやさしい方法で矯正を始めてみたい」「子どもに無理なく取り組んでほしい」と考える保護者に適した選択肢といえるでしょう。

 

3. 小児矯正のマイオブレースとプレオルソを比較

マイオブレースとプレオルソは、どちらも取り外し可能なマウスピース型の小児矯正装置である点では共通していますが、治療の目的やアプローチ、装着方法、対象年齢などに明確な違いがあります。以下に、それぞれの特徴を比較してみましょう。

①治療目的の違い マイオブレースは、口呼吸や舌癖などの悪習癖を改善し、歯並びを根本から整えることを目的とした治療法です。一方、プレオルソは悪習癖にもアプローチしつつ、前歯の歯並びや軽い噛み合わせのズレを改善できる可能性があります。

➁対象年齢の違い マイオブレースは3~12歳と幅広い年齢のお子様に対応でき、プレオルソは3~8歳と比較的低年齢層が対象となることが多いです。

➂装着方法と装着時間 マイオブレースは、就寝時+日中1~2時間の装着に加え、日々のトレーニングが必要です。一方プレオルソは、主に就寝時と日中1時間程度の装着で完了し、トレーニングは不要なことがほとんどです。

④装置の素材と装着感 マイオブレースは医療用シリコンなどの比較的やわらかい素材で作られており、装着初期に用いるタイプは特にソフトな感触です。プレオルソはポリオレフィン系エラストマーという弾力性のある素材を使用しており、しっかりとした装着感が特徴です。どちらも柔軟性を持ちますが、初めての装着時に「やわらかさ」を感じやすいのはマイオブレースの初期用タイプという傾向もあります。 このように、それぞれの装置には異なる特性があります。お子さんの症状や性格、生活習慣に応じて、どちらがより効果的かを歯科医師と相談しながら選択することが大切です。

 

4. 京都市の歯医者 京都円町たけち歯科クリニックの小児矯正

子どもの矯正治療は、成長期の発育力を活用することで、歯並びや噛み合わせをより効果的に改善できる可能性が高まります。 特に、上顎の成長は9~10歳頃までに完了するとされており、適切な時期に治療を開始することが重要です。 子どものうちに矯正を行うことによって大人になってからの本格的な矯正治療が不要になる、または軽減される可能性があります。 そのため京都市の歯医者、京都円町たけち歯科クリニックでは、「マイオブレース」という歯列矯正法を採用しています。 マイオブレースは、歯並びが悪くなる根本的な原因に働きかけ、通常、ブラケット治療を必要とせず、自然な成長と発達を促す治療法です。

マイオブレースの目的

マイオブレースは、歯並びが悪くなる原因を改善し、結果的に歯並びを整えることを目的とした矯正装置です。悪い口腔習慣(口呼吸、舌の位置、指しゃぶりなど)を改善し、顎の発育を正常に導くことを目指しています。従来のワイヤー矯正とは異なり、歯を抜かずに本来の成長を活かして矯正を行う点が特徴です。適切な筋機能を訓練することで、歯並びが自然に整いやすくなり、将来的な矯正の必要性を減らすことが期待できます。

マイオブレースの治療時期

マイオブレースは、顎の成長が活発な子ども(3~12歳)を対象に行われます。 特に、5~9歳の混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)に治療開始することが最適とされ、顎の成長を利用しながら歯並びを整えます。早期に開始することで、抜歯やワイヤー矯正の必要性を減らし、自然な発育を促進します。 ※特に受け口などの場合は早めに治療を開始することが望ましいです。 また、5~9歳を治療開始時期としている理由は、個人差はありますが上顎の成長は9〜10歳でストップします。 治療期間がおおよそ2〜3年間となるため、逆算すると8歳までにはスタートしないと良い結果を得られない可能性が高くなってしまうからです。 そのため円町たけち歯科クリニックでは、9歳以降の治療はマイオブレースの以外の治療をご案内する可能性があります。 ご興味がある方、子どもの歯並びにお悩みがある方はまずは円町たけち歯科クリニックまでご相談ください。 ▽円町たけち歯科クリニックの矯正治療について詳しくはこちら https://emmachi-dc.com/menu/mouthpiece/

 

まとめ

マイオブレースとプレオルソは、いずれも取り外し可能なマウスピース型の小児矯正装置ですが、目的や治療方法に明確な違いがあります。お子さんの成長段階や性格、治療の目的に応じて、最適な矯正装置を選ぶことが大切です。 京都市の歯医者 京都円町たけち歯科クリニックでは、お子さんの成長に寄り添った最適な治療プランをご提案します。 京都市でマイオブレースやプレオルソによる治療を検討されている方は、京都円町たけち歯科クリニックまでご相談ください。


円町たけち歯科クリニック

 

 

監修:武知 幸久


経歴:

   1989年 徳島大学歯学部卒業

   1997年 たけち歯科医院開業

   2011年 医療法人社団翔志会

        たけち歯科クリニック開設

        京都市立病院 登録医