小児矯正症例

【審美治療症例】「生まれつきの前歯の変色が気になる」10代女性のダイレクトボンディング治療

 

項目 内容
治療内容 ダイレクトボンディング
年齢 10代
性別 女性
治療回数 3回
費用(税込) 47,300円
(※当時の価格)
リスク・副作用 ・経年劣化による変色や欠け、摩耗の可能性
・強い衝撃による破折リスク
・将来的な再治療(さらに削る治療への移行)の可能性

 

1. 患者様のご紹介(主訴・お悩み)

患者様は当時10代の女性です。生まれつき前歯に黄色い部分があり、以前から歯が脆く、ひびが入っている状態と指摘されていました。幼少期には、大人になって前歯が気になるようになったら相談するようにと言われていたとのことです。
通院が苦手だったことから10年以上歯科を受診していませんでしたが、大人になり前歯の色が気になるようになりました。以前通っていた歯医者へ電話したものの繋がらなかったことをきっかけに、当院を受診されました。主訴は「前歯の変色(黄色い部分)や欠け、見た目が気になる」というものでした。

 

2. ご来院時の状態と診断

来院時には、生まれつき黄色く変色していた前歯の一部がすでに欠けていました。検査の結果、むし歯や外傷による変色ではなく、エナメル質形成不全と診断しました。
エナメル質形成不全がある歯は、歯の表面を構成するエナメル質が正常に形成されていない部分があり、色調や形態に変化が現れることがあります。この患者様の場合は、前歯の限られた範囲に形成不全があり、10代の時点ですでに欠けていたことから、放置すると状態が悪化するおそれがあると判断し、治療を行うことになりました。

【コラム】エナメル質形成不全とは
歯の表面を覆うエナメル質が、歯の形成過程で十分に形成されなかった状態です。変色や表面の凹凸などが見られることがあり、形成不全の程度によって歯の状態も異なります。

 

3. 治療の流れ

今回は、ダイレクトボンディングによる前歯の修復を行いました。通院は計3回です。
①検査・診断・型取り
初回は前歯の状態を確認し、検査と診断を行ったうえで型取りを行いました。
患者様は当時10代と若く、ダイレクトボンディング、ラミネートベニア、クラウンのいずれを選択しても、一生同じ状態を維持できるものではないことを踏まえて治療方針を検討しました。
そこで、歯を削る量を抑え、将来的により大きく歯を削る治療へ移行するまでの期間をできるだけ長くするという考え方を患者様とご家族に説明しました。将来の選択肢についてもご了承いただいたうえで、ダイレクトボンディングを選択しています。
②ダイレクトボンディングによる充填
2回目はラバーダム防湿を行い、前歯にダイレクトボンディングを施しました。今回は、限られた範囲のエナメル質形成不全に対して適用しました。

③最終研磨・形態調整
3回目は、修復した部分の最終研磨と形態調整を行い、噛み合わせも確認しました。
歯の形だけでなく、周囲の天然歯との調和を考えながら表面を整えることは、ダイレクトボンディングにおける重要な工程です。

【コラム】ダイレクトボンディングとは
歯科用の材料を歯へ直接盛り付け、歯の色や形を修復する治療方法です。症例によって適応は異なりますが、歯を削る範囲を抑えながら治療できる場合があります。

 

4. 治療のポイント

①健康な歯質を残すことを考えた治療計画
今回のポイントは、10代という年齢と将来的な再治療の可能性を考え、健康な歯質をできるだけ残す方針を立てたことです。
ダイレクトボンディング、ラミネートベニア、クラウンなどの治療には、それぞれ適応があります。また、修復物は経年的に変色や摩耗、欠けなどが生じる可能性があります。
そのため、現在の状態だけではなく、将来再治療が必要になった場合の選択肢まで考えて治療法を決めることが大切です。今回は、次の段階の治療へ進むまでの期間を長くするという考え方のもと、ダイレクトボンディングを選択しました。
②天然歯の色調や透明感を考慮した修復
ダイレクトボンディングでは、天然歯に近い色調や透明感を考えながら材料を盛り付け、前歯の見た目を整えました。
前歯は口元の印象に関わる部位であり、単に欠けた部分を補うだけでなく、周囲の歯との色や形の調和を考慮する必要があります。今回は、保険診療で行う一般的なコンポジットレジン修復とは異なる方法で、天然歯に近い色調の再現を目指しました。
③ラバーダム防湿を使用
治療時にはラバーダム防湿を使用し、接着操作を行うための環境を整えました。当院では、こうした工程も含め、治療部位の環境に配慮しながら処置を行っています。

【コラム】ラバーダム防湿とは
治療する歯の周囲をゴム製のシートで隔離し、唾液や湿気が治療部位へ入り込むことを防ぐ方法です。接着操作を伴う治療では、治療部位の環境を整える目的で使用されます。

 

5. 治療後・予後


治療後は、前歯の黄色く変色していた部分と欠けていた部分を修復し、周囲の天然歯に近い色調や形態に整えました。
ダイレクトボンディングは将来にわたって同じ状態が続くとは限りません。時間の経過によって材料が変色したり、欠けたり、摩耗したりする可能性があります。また、前歯に強い衝撃が加わると破折するリスクもあります。
将来的に変化が生じた場合には、その時点の歯や修復物の状態を確認し、再度ダイレクトボンディングで修復できるか、ラミネートベニアやクラウンなど別の治療方法を検討する必要があるかを判断します。
若い年代で修復治療が必要になった場合、現在の見た目だけでなく、将来的な再治療まで考えて健康な歯質を残すことも治療計画における重要な視点です。
当院では、現在のお口の状態だけでなく、将来的な治療の選択肢も考慮しながら治療方法をご提案しています。前歯の変色や欠け、エナメル質形成不全などで見た目や治療方法にお悩みの方は、京都円町たけち歯科へご相談ください。

 

監修

院長:小網 麻衣

経歴
2019年 徳島大学歯学部卒業
2019年 医療法人社団翔志会京都二条たけち歯科クリニックに臨床研修医として勤める
2020年 医療法人社団翔志会京都二条たけち歯科クリニック入社
2022年 医療法人社団翔志会京都円町たけち歯科クリニック院長就任

所属団体・ライセンス

日本顎咬合学会会員
Women Dental Academy for Implantology(WDAI)会員

研修実績

straumann ベーシックインプラントロジー
インビザラインGoシステム導入コース
Myobrace®System 導入セミナー
床矯正ベーシックセミナー
顎顔面矯正治療 ベーシックコース
ダイレクトボンディング 青島徹児先生 前歯・臼歯コース
ADI Practice course 5期
JIPI補綴コース